ボランティアガイドが案内する金沢の定番観光スポット①「金沢城」

「金沢城」は、石垣や門、広場、長屋、庭園の造形美とダイナミックな景観が魅力!橋で直結する「兼六園」とまさに “双璧”と呼べる歴史散策スポットです。今回、「金沢旅物語」では、市認定の観光ボランティアガイド「まいどさん」との「金沢城」巡りの一例をリポート。この一帯が幼少期の“庭”だったと語る高木さんは、「一期一会の出会い」を楽しみに20年のキャリアを重ねた大ベテランです。

※「まいどさん」は「こんにちは」に近い意味を持つ金沢弁です。

(文・写真/橋詰晋也)

博物館級の「石垣」づくし…まずは「石川門」から!

  • 「石川門」左右で異なる石垣意匠

  • 「兼六園」側から「石川橋」越しに見る「金沢城公園」

  • 「ガイド依頼」は石川門入口休憩所

  • 案内看板(石川門入口休憩所前)

  • いったん門側に戻り、解説スタート

  • 石垣は刻印や石積みにも時代ごとの特徴が

「石川門」をくぐって「金沢城公園」に入るとすぐ右手に「石川門入口休憩所」があります。そして今回の案内役・高木さんとの城内散策は、「金沢城」のシンボル的存在であり、国重要文化財の「石川門」の石垣解説から始まりました。前田利家の入城後に本格化し、長い年月をかけて完成した石垣には、その時代や使用箇所に応じて多様な技術とデザインが用いられています。「一方的な長尺の解説はしない」をポリシーとする高木さんは、これら(石垣)の違いや見分け方についても、クイズを交え、テンポよく解説してくれました。

「河北門」は、金沢城全体に見惚れるフォトスポット

  • 「河北門」越しに見る金沢城公園

  • 「三の丸」に面する「河北門」

  • 「河北門」の2階に繋がる外階段

  • 「河北門」の2階は入場可能

  • バリアフリー通路の角が高木さんおススメの写真撮影ポイント

「石川門入口休憩所」の左手には「河北門」が。資料や調査を基に、2010年、130年ぶりに再建された「金沢城」の“実質的正門“は、石垣、海鼠(なまこ)壁、屋根瓦、木組みなどに織り込まれた細かな技術も見所ですが、高木さんはあえて「門越しで見える、金沢城全体の白と黒のコントラストをご覧ください!」と、面で捉える鑑賞法を推奨します。実際、門の2階に向かうバリアフリーの通路の角から見る全景は「絵画」さながらで、高木さん個人は、たまたますれ違う観光客に撮影をすすめることもしばしば。要望があればシャッター係も担っているのだそうです。

様式美に唸る「橋爪門」をくぐり、「金沢城三御門」全てを通過

  • 建築美が圧巻の「橋爪門」

  • スケール感に驚く「五十間長屋」

  • 「三の丸北園地」

  • 「橋爪橋」越しに見る「橋爪門」と「続櫓」

  • 「橋爪門ニの門」

  • 「橋爪門」の内側と「五十間長屋」

芝生が美しく広大な「三の丸広場」や迫力満点の「五十間長屋」に見惚れ、高木さんが披露する長屋の窓の構造などの豆知識に耳を傾けていると、 あっという間に“二の丸の正門”「橋爪門」へ。この門は、「石川門」や「河北門」と並ぶ「金沢城三御門」のひとつで、2001年から4年をかけ、完全復元されたものです。高木さん曰く、建築物としてのセンスが集約された「二の門」は3つの門の中でも最も格式が高いそうで、随所に施された手の込んだ造りに多くの観光客が魅了されるのだとか。

圧巻のパノラマを楽しむ隠れスポットから「まいどさん」イチオシの絶景を

  • 「戌亥櫓」跡の展望台

  • 「三十間長屋」の案内板(2024年春まで工事中*予定)

  • 「本丸園地」に続く緑の小路

  • 「弾薬庫」とトンネル

  • 歩きやすく整備された「雁木坂」

  • 「極楽橋」

「三十間長屋」は2024年春まで外装工事中とのことで、残念ながら今回は通過し、緑豊かな「本丸園地」方向に足へと進めます。ほどなくして左折すると、その先に待っていたのは「戌亥櫓(いぬいやぐら)」跡から眺める「金沢城公園」の全貌でした。この絶景こそが高木さんの「とっておき」で、右脇の明治時代に造られた「弾薬庫」とトンネルも迫力満点です。しかも「弾薬庫」の周辺は、かつて敷地内に構えていた「金沢大学」が意外な用途に活用していたとのことで、これらのこぼれ話も聞きごたえ抜群でした。その後はUターンし、「雁木坂(がんぎざか)」という“諸説あり”の高さと段幅が違う石段を下り、その先に延びる「極楽橋」を渡って、最後の目的地へ足を運びます。

石垣との落差22メートル、再現された「玉泉院丸庭園」に癒されて

  • 階段から見下ろす「玉泉院丸庭園」

  • 「玉泉庵休憩所」に隣接する「お茶室」

  • 「玉泉庵休憩所」テラスから眺める庭園の景色

  • 冬はモノクロの世界に一変します

  • トイレのタイルに注目

  • 「鼠多門」

高木さんの背中を追い、右手側に高く積まれた石垣群に圧倒されながら長い階段を下って行くと、目の前に“歴代藩主が愛した”広大な内庭「玉泉院丸庭園」がお目見えします。この庭園は、明治時代に取り壊され、様々な用途で活用された後に完全復元されたものです。「色紙短冊積石垣」や「3つの島」、「段落ちの滝」から成る庭園の美しさは、視点場として開放される「玉泉庵休憩所」から見渡せばよりお見事。また、トイレの建屋には、九谷五彩のカラータイルがあしらわれており、こちらも高木さんのさりげない“推し”ポイントの一つとなっています。さらに2020年には、この庭園と尾山神社を繋ぐ出入り口として「鼠多門(ねずみたもん)」と「鼠多門橋」が復活。「玉泉庵休憩所」には「城と庭のボランティアガイド」が常駐しており、庭園の説明が受けられるので、様々なコース、切り口を楽しんでみるとよいでしょう。

Column

ボランティアガイドを頼むには

金沢城公園内「石川門入口休憩所」と「玉泉院丸庭園休憩所」には、「城と庭のボランティアガイド」が常駐し観光案内をしています。

案内時間:9:30~15:30(3月1日~12月28日は毎日、1月5日~2月末日は土日のみ案内)

※15:30案内終了

案内時間:石川門入口休憩所は 約40~50分*お客様のご要望に応じます。 玉泉院丸庭園休憩所は 約10分

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  • 金沢城公園・玉泉院丸庭園
  • 鼠多門・鼠多門橋

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