金沢おでんの魅力を徹底解説!
金沢おでんの出汁、具材の特徴、金沢のおでん屋ならではのメニューをご紹介します。金沢おでんは近年人気が高く、特に秋から冬にかけては人気店に長い行列ができるほど。海の幸、山の幸に恵まれた金沢の、舌の肥えた市民が愛するおでんの味。金沢にいらっしゃったなら、ぜひご賞味を。
特徴① 出汁(だし)が違います!
金沢おでんの出汁は、その特徴的な風味と深い味わいが魅力です。主に昆布、鰹節、煮干しなどから取られる出汁は、ほのかに甘く、優しい味わいが特徴です。特に金沢の大野醤油を使用することで、出汁にほどよい甘さとコクが加わり、上品な風味を引き立てます。この出汁は具材の旨みをしっかりと吸収し、飲み干せるほどの優しい味わいを実現しています 。
<エリア別:一般的な出汁の違い>
関東のおでんの出汁 : 濃口しょうゆを使い、味が濃いのが特徴
関西のおでんの出汁 : 薄口しょうゆを使い、昆布と鰹節で取った出汁を活かしたあっさりとした味わい
金沢のおでんの出汁 : 大野醤油を使ってリッチな風味を持つのが特徴
特徴② 金沢ならではの具材が楽しめます!【カニ面(かにめん)】(11月上旬~12月下旬の期間限定!)
【見た目】メスのズワイガニ(香箱ガニ)の甲羅の中に、カニの身、カニミソ、オレンジ色の内子(未成熟卵)や茶色の粒状の外子(成熟卵)を盛りつけたもの。
【食材】 カニの身、カニミソ、内子(未成熟卵)、外子(成熟卵)
【触感】 甘みのある身、内子は濃厚でクリーミーな味わいがあり、外子はプチプチとした弾ける食感が楽しめます。これらが一緒になることで、口の中で異なる食感のコントラストを生み出します。
Column
香箱カニとは?
石川県では、ズワイガニの雌を「香箱ガニ」あるいは「甲箱ガニ」と呼んでいます。
香箱ガニは、底びき網で漁獲されますが、石川県では資源保護の観点から漁期が限られており、11月6日に解禁、12月29日が終期としています。
カニは脱皮を繰り返して大きくなります。メスの香箱ガニは、7~8cm程の大きさで産卵し、それ以上は脱皮しないためにそれ以上大きくなりません。一方、オスの加能ガニは、脱皮をし続け、大きいものでは甲羅の幅は15cmほどにもなります。甲羅の幅は1年に1cm程度大きくなるので、加能ガニと呼ばれるには10年程度を要します。
特徴② 金沢ならではの具材が楽しめます!【赤巻き】
北陸地方では馴染みのあるかまぼこで、おせち料理にも使われます。そのまま食べてもおいしいですが、あつあつのおでんの出汁を吸った赤巻は格別です。
【見た目】赤と白の渦巻き模様が、おでんに彩りを添えてくれます。暑く切ったものをそのまま入れることもあれば、串に刺して提供されることもあります 。
【食材】 魚のすり身を使ったもので、そこに特製の赤い調味料を混ぜ込んで作られます。
【食感】 主に白身魚を使用し、もちっとした食感が楽しめます。 出汁との相性も抜群で、煮込むことで出汁の旨みを吸収し、より深い味わいを楽しむことができます。
特徴② 金沢ならではの具材が楽しめます!【ふかし】
【見た目】白く平たい見た目ははんぺんに似ています
【食材】 魚のすり身を蒸して作られた練り物で、見た目ははんぺんに似ていますが、油で揚げずに蒸すため、出汁を吸いやすい。
【食感】 かまぼこに近くもっちりとした食感が特徴です。出汁を吸った際にはじゅわっとした旨みが口の中に広がります。
特徴② 金沢ならではの具材が楽しめます!【バイ貝・梅貝】
【見た目】ツボ貝と見た目やよく似ていますが、バイ貝の殻の表面が滑らかで、一方ツボ貝は殻に凹凸があり、ゴツゴツとしています。
【食材】 金沢ではポピュラーな食材で、鮮魚店の店頭や寿司店でよく売られています。一般的な食べ方は、刺身、殻ごと醤油煮にするつぼ煮、おでんなど。日本海の水深200〜500mに生息するエッチュウバイ(越中貝)と呼ばれる巻貝です。
【食感】 こりこりした食感と独特の甘みが特徴で、プリッとした歯ごたえと濃厚な肝が多くの人に愛されています。 食べる際には、つまようじで肝まで取り出し、身を味わった後に殻にたまっただしを飲むことで、濃厚な旨みを楽しむことができます。おでんのさっぱりとしたダシ汁とよく合います。
※バイ貝は縁起物としても知られ、「福が倍になる」という語呂合わせから祝いの席でも重宝されています。
特徴② 金沢ならではの具材が楽しめます!【車麩(くるまふ)】
【見た目】大きな丸い形をしており、ドーナツのように真ん中に穴が空いているのが特徴。
【食材】 グルテンと小麦粉(強力粉)から作られる
【食感】 出汁をたっぷりと吸い込み、柔らかくとろける食感が楽しめます 。車麩が他の具材とともに煮込まれ、その旨味を吸収することで、全体の味わいを深めます
特徴② 金沢ならではの具材が楽しめます!【源助大根(げんすけだいこん)】
【見た目】ずんぐりとした円筒形で、胴が太い。
【食材】 金沢市を代表する伝統野菜で、加賀野菜の一つ。
【食感】 肉質が柔らかく、甘みが強いのが特徴。生で食べると瑞々しさとほんのりした甘さが感じられますが、煮崩れしにくく、ダシの吸収力が高いため、煮込むことで甘みが増し、ぷりぷりとした食感となり豊かな味わいを引き出します。
特徴③ 茶飯(ちゃめし)
老舗のおでん屋には、おでんとともに楽しむ、または締めとして愉しむ「茶飯」がメニューにある場合があります。
茶飯は、醤油や出汁で炊き込んだご飯で、金沢おでんの付け合わせとして提供されることが多いです。
金沢おでんの出汁と茶飯は相性抜群です。出汁の旨味が茶飯にも染み込み、しっかりとした味わいが楽しめます。また、茶飯の香りが、おでんの風味を引き立ててくれます。
特徴④ どて焼き
どて焼きは、おでん専門店の一部で提供される料理で、主に豚バラ肉を串に刺し、蒸し焼きにした後、白味噌をたっぷりと絡めて提供されることが多いです。この料理は、白味噌を使用することが多く、コクがあり、日本酒との相性も抜群です。各店舗で異なる調味料の工夫が施されており、お店を廻り、自身のお気に入りを探すのも一興です。